弁護士になるには?京都で法科大学院(ロースクール)がある大学は?
2023/10/17
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弁護士になるには、まずは司法試験という国家試験に合格し、その後1年間の司法修習(司法修習生の修習)と呼ばれる実習期間を経て、さらに2回目の国家試験(修了試験)を合格することで、晴れて弁護士になることができます(裁判官・検察官になるのも同じ課程です)。
司法試験を受けるための一般的な例では・・
1.大学の法学部で法律を学ぶ
↓
2.法科大学院(ロースクール)
↓
3.司法試験
というパターンが一般的です。
大学の法学部で4年間法律を学び→ロースクールと呼ばれる法科大学院で2または3年間をかけてさらに深く学び→法科大学院を修了後、司法試験を受けます。さらにその後→1年間の司法修習を経て→修了試験をパスしてようやくゴールです。
そのため弁護士(裁判官・検察官も含む)になるには、とても長い時間と費用(学費・生活費など)がかかります。経済的負担が大きいため、途中でフェードアウトしてしまう学生さんも多く、ご家庭の理解・協力がないと厳しい世界です。
そのようなことから2011年からは、予備試験という制度が設けられ、その試験にパスすると法科大学院(ロースクール)修了と同等の資格が与えられ、司法試験を受験(予備試験合格の翌年以降に)できるようになりました。ただ自力で専門的な法律の勉強をするには、並大抵の努力では済まないでしょう・・。
今回は京都で弁護士(裁判官・検察官も含む)を目指す方々に向けて、京都で法科大学院(ロースクール)がある大学のご紹介と、ロースクールには行かずに予備試験に合格し、司法試験を受ける方法を案内させていただきます。ぜひ最後までお読みください。
京都で法科大学院(ロースクール)がある大学は?
全国的に昔は多数あった法科大学院(ロースクール)も、この記事を書いている現在では、京都に法科大学院(ロースクール)があるのは下記の3つの大学だけになっています(龍谷大学と京都産業大学の法科大学院は停止)。
・京都大学
・立命館大学
・同志社大学
京都は『大学のまち』と呼ばれるほど、たくさんの大学がありますが法科大学院があるのは3校のみ。では、それぞれの法科大学院の学費や司法試験の合格率など、次の項では詳しく紹介していきます。
京都大学 法科大学院
(科名)法学研究科 法曹養成専攻
(司法試験合格率) ※2016年度参考
・合格者:105名
・合格率:47.3%(全国4位)
(学費) ※2017年度参考
※第一学年にかかる学費です
・入学料:282,000円
・授業料:80,4000円
合計:約1,086,000円
【詳細】>>京都大学の公式サイト
立命館大学 法科大学院
(科名)法務研究科 法曹養成専攻
(司法試験合格率) ※2016年度参考
・合格者:29名
・合格率:13.6%(全国23位)
(学費) ※2017年度参考
※第一学年にかかる学費です
・入学料:300,000円
・授業料:1,317,400円
・その他諸費
(立命館大学卒)11,000円
(他大学卒業者)41,000円
合計:約1,658,400円
【詳細】>>立命館大学の公式サイト
同志社大学 法科大学院
(科名)司法研究科 法務専攻
(司法試験合格率) ※2016年度参考
・合格者:17名
・合格率:13.3%(全国24位)
(学費) ※2017年度参考
※第一学年にかかる学費です
・入学料:305,000円
・授業料:1,176,000円
・その他諸費:154,000円
合計:約1,635,000円
【詳細】>>同志社大学の公式サイト
法科大学院には行かず予備試験を目指す!
基本的には、大学の法学部を卒業された学生さんは法科大学院(ロースクール)を2年間。法学部以外の大学の学部を卒業された方は3年間、法科大学院へ通われます(能力にもよりますが・・)。
そのため司法試験を受験するには、上記でご紹介したような学費と時間が、どうしてもかかります。先にも述べましたが、そのような経済的・時間的に厳しい状況の環境下にある学生さんを救済することを目的とした『予備試験』が設けられています(2011年~)。
この予備試験に合格(合格率:約3%~4%の難関)すると、法科大学院を修了した者と同等に扱われ、予備試験合格の翌年以降に、司法試験の受験資格が与えられます。そして、最近では法科大学院には進学せず、この予備試験を受験される方々が増加しているのです!(これらがロースクールが減少している要因の1つにもなっています)。
予備試験の導入により、現役大学生やロースクールの修了を待たずして、司法試験を受験できるということで、弁護士になるための近道という見解もあるようです。
また、2016年の司法試験の合格者のうち最も多かったのが慶応義塾大学の法科大学院で155名(合格率:約44%)に対して、予備試験をパスし司法試験に合格したのが235名(合格率:約61.5%)という、ロースクールに通うよりも合格者数・合格率が共に大きく上回るといった驚くべき数字が出ているのも事実なんです!
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は弁護士になるには?というテーマで、京都にある法科大学院における司法試験の合格率・学費などのご紹介と、法科大学院には行かずに予備試験をパスして司法試験を受けるという方法をご案内させていただきました。
法科大学院(ロースクール)に行くにも、独学で勉強するにも、どちらにしても大変難しい資格になります。それほど法を司り、人を弁護・裁くということは責任感があり、とても重大な仕事だということです。
弁護士、裁判官、検察官を目指される皆さまのお役に立てれば幸いです。またよろしければ、あわせて読まれている関連記事もぜひご覧になってください。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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